ESQUISSE

詩らしきもの

月明かり

     

     夜は密かに訪れ

     静かさと冷ややかさ

     闇夜の装いを携えて

 

     草木は眠る

     月の篝火が

     家路を見つめ

 

     月のない空を

     嘆き悲しむ

     ひしがれた小径も

     何処かで点す

     家のあかりで暖かく装う

 

     あの道端で佇む

     忘れられた小石にも

     月明かりの影は差す

     

     虫の音が

     夜のともりに

     響くだけ

     何事もなく