ESQUISSE

詩らしきもの

研ぎ澄ませ

      

      内なる意識に

      降りてくる言葉の雫

      滴る旋律は満月の清め

      核心に近づくほど

      研ぎ澄ませ

      研ぎ澄ませ


      跡かたもなく失せるは

      うたかたの言葉

      真の真髄を探して

      遠く彼方に観ゆる

      微かな表象は

      朧気なる幻の残月


      蒼き春に見た虹は

      七色の髪の乙女

      儚く消えた追憶に

      今も疼く胸を抱いて

      冷たき風の中にも

      甘き匂う香気を探し

      研ぎ澄ませ

      研ぎ澄ませ


      ときめく胸の

      春を待ち望んで